Grammarlyは頼りになるのか?試してみた結果は...




最近人気の高まっている英文校正ツール。中でもGrammarly(グラマリー)はすこぶる評判が良いと聞くが、一体どこまで頼りになるものなのだろうか?これで訂正してもらえば、そのまま海外に送っても恥ずかしくないメールが書けるのだろうか?英文ライティングの練習に役立つという声もあるが、本当だろうか?Microsoftワードのチェック機能とどちらが優秀?
思い立ったが吉日ということで、試してみることにした。

まずは、わざと間違った英文を作り、Grammarlyの無料バージョンをオンにした状態でタイプしてみた。



(以下のテストはいずれも無料バージョンを使って行ったもので、有料サービスは試していません。)


1.基本的な文法ミス、どこまでキャッチ?

(誤りのある例文1I write news articles for living.
(誤りのある例文2I like it but also need my life to be bit more predictable.

お気づきとは思うが、「~で生計をたてる」は do ~ for a living」と、a が入る。また、「もうちょっと」は「a bit more」で、これまたa が必要となる。この辺りは、Grammarlyはしっかりキャッチし、冠詞を入れるように指摘してくれた。
次は、前置詞と冠詞の組み合わせを試してみた。交通手段を表す「自転車で」は「by bike」であるが、一方、「自転車の上に(で)」や「(あの)自転車に乗って」という意味であればon+冠詞にすることができる。そこで、この二つを反対にして(前者に冠詞を付け、後者に冠詞をつけずに)試してみた。
(誤りのある例文3I like going to places on bike. Let’s have a fun.
これは両方とも、Grammarlyはしっかりキャッチしてくれた。


2.ライティングの練習にはならない?

(誤りのある例文4My schedule changes daily. I don’t know what to be expected every day. 

what to be expected」は変な言い回しで、本来は「what to expect」となる。これはGrammarlyは何の注意もしていなかった。
文脈がはっきりしていないからかと思い、同じ表現を使って、
(誤りのある例文5He is unpredictable and I don’t know what to be expected from him.
としてみたが(これも、もちろんwhat to expectが正しい言い回しであるが)、これでもGrammarlyにはひっかからない。「変な英語」を避けたいがゆえにGrammarlyを使っている人があれば、これは気になる点である。


3.イディオムのミスもキャッチされない可能性が

「生計を立てる」のイディオムではクリアしたので、別のイディオムを試してみることにした。
(誤りのある例文6Let’s talk about the weekend. Let’s play it by the ear.  
Play it by ear は状況次第で臨機応変にやるという意味のイディオムだが、冠詞のtheは入らない。冠詞を入れてしまうとネイティブにとっては「かなり変」な英語に聞こえる。実は、むか~し、むかし、アメリカ人としゃべっているときにtheを入れてしまい、大笑いをされたことがある。とても頻繁に使われる表現なのだが、Grammarlyはこの間違いに全く反応しない。

4.日本人的なミスはキャッチしてくれない?

次は、日本人にありがちなミスを試してみた。
(誤りのある例文7By the way, how is your son? I know he received A for his essay in the English class. 
どこが間違いか3秒以内にわかった人は、英語力がしっかりしていると言えるだろう。Aの前にan が必要なのだが、これに気づく日本人は少ない。ネイティブからすると「へ?」という感じのミスなのであるが、Grammarlyはキャッチしてくれなかった。

5.句読点は?
Grammarlyは句読点ミスをキャッチしてくれると評判なので、試してみることにした。結果は、ちょっとガッカリである。
(誤りのある例文8I heard that the class had a great project “Say What You Want to Say.”
(誤りのある例文9The person who started this writing project is Michael Smith associate director of the Writing Institute. 
誤例8ではa great project の後、誤例9ではMichael Smithの後にそれぞれカンマが必要となる。Grammarlyは何も注意してくれていない。

6.ネイティブスピーカー的な間違いならキャッチする?

次にアメリカ人がよくやらかす文法・綴りミスを試してみた。
(誤りのある例文10This has no affect on people.
日本人にとっては簡単にわかるミスかもしれない。一般的な文脈では、「affect」は動詞、「effect」は名詞であるが、アメリカ人はこれをしょっちゅう反対にしてしまう。上記の例文では名詞が必要なため、effectとなる。これは、Grammarlyはしっかりキャッチしていた。
次は目的語。
(誤例11Let’s split it between you and I. 
おわかりのように「you and me」のはずなのだが、アメリカ人はこのmeIにする癖のある人が多い。これは、ここ10年くらいのトレンドである。この文がもしMike and Sarah are taller than you and I という比較文であれば、you and I で正しいのだが、かつてはこれをyou and meと間違えるアメリカ人が多かった。これは you and I が正しいのだという認識が10年ほど前から広まってきたのだが、その結果として二つのパターンを混同する人が増えしまったようなのだ。Grammarlyは、「Mike and Sarah are taller than you and me」の間違えは判別できないのだが、例文11のミスはちゃんとキャッチしていた。
ではもうちょっと込み入ったものに挑戦ということで、dangling participleを試してみた。Dangling participle とは懸垂分詞のことで、分詞の主語と文の主語が一致しないものを指す。アメリカ人はこれを普通~に間違ってくれる。
(誤例12Having run many marathons before, a 5K seems easy enough. 
分詞の主語はIだが、文の主語は5Kレースなので一致していない。Grammarlyはキャッチしてくれなかった。
以上、いずれもGrammarlyの無料バージョンを使って試してみた。Grammarlyによるとプレミアムサービスでは無料サービスに比べて2倍のミス修正をしてくれるそうだが、無料サービスで関心できないと有料を試そうという気にはなれないというが正直なところだ。Microsoftワードのチェック機能よりは優秀かと思うが、個人的にはGrammarlyに切り替えるメリットはあまり感じられなかった。Grammarlyを絶賛するネイティブスピーカーも多いようであるが、それがなぜかは、無料バージョンを使っている限りではミステリーである。
日本人にとって一番気になるのは、外国人らしい間違いを直してくれるかということだろう。そういう意味ではGrammarlyの無料サービスは「まだまだ」という感じだ。

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