「英語のディスカッションで口を挟めない」という方へ




アメリカ人とのグループディスカッションで、自分の意見を言おうとした瞬間に次の人がもうしゃべり始めていたという経験はありませんか?

発言する機会を失って、「英語が苦手だから」と落胆している人をしばしば見かけますが、これが語学力のせいだと思ったら、それは全くの誤解です。実はネイティブスピーカーであっても、文化的に異なった環境で育った人たちは同じ悩みを抱えています。

「アメリカ人の、あの絶妙のタイミングで口を挟む技、なんなんだろうね」と、幼児の時から公用語の英語で育ったケニア人の友人たちは良く言っていました。

アメリカ人が話し合う様子を観察していると、どうやら呼吸や会話のリズムでお互いの発言が途切れる瞬間を見極める本能的な技を持っているようです。これは母国語(英語)だから出来るということでもなさそうです。某大手メディアの日本社員と米国本社員の会議に通訳として出席したことがありますが、私の日本語訳が終わるその瞬間にアメリカ人社員が口を入れるんです。その人たちは日本語を一言も理解できないのに、ですよ。この技が文化的であることは、米国育ちの日本人・日系アメリカ人も知っている事実です。

では、どうすればスルッと入り込めるようになるかですが、 今日はいつもとは違った角度からのアドバイスをしたいと思います。「ネイティブスピーカーと同じにならない限り、『本物の』英語力がついたとはいえない」という考えを捨ててください。わからない事、出来ないことを全て語学力のせい(自分のせい)にするのも、やめましょう。何かがネイティブスピーカーと違うと「やっぱり違う」と決めつけるのは偏見の素となり、自分のみならず他人のためにもなりません。私が記者になりたてのころには語学的なミスをすることもあったものの、「君はネイティブスピーカーより『書ける』ね」と言ってくれた編集者が多かったのは、細かいことにとらわれずに本当のコミュニケーション力とは何かを理解してそこに重きを置く、アメリカ人ならではの態度の反映だと思っています。

英語を学ぶ目的はコミュニケーションであることを忘れないでください。

ディスカッションで口を挟む術に話を戻しますが、これはどれほど英語に長けていても身につけるのは困難なようです。習得できる人もいるかもしれませんが、かわりの手段となる方法を練習した方が手っ取り早いように思います。
以下、このスキルを補って会話に割り込む方法です。
1) 手を挙げる
グループディスカッションで司会者やメインのスピーカーから全員の顔が見える場合には、発言したい人が手を挙げるのはごく一般的な動作です。小学校の授業のように思いきり高く手を挙げるのではなく、「ちょっと」と合図を送る感じに小さくあげると自然に見えます。
2) 首を振る
反対意見を言いたいならば、聞いている時に静かに首を横に振って「同意していない」ことを明らかにする手もあります。「何か言いたげだなあ」と感じ取って、向こうから振ってくる可能性もありです。
3)  Um…
手を挙げながら身を乗り出し、今にも何か言いだしそうな身振りをすると、ただ手を挙げているより更に積極的なイメージを与えます。日本語の「えー」にあたる「Um」という言葉を言うのも、良いかもしれません。口を挟みたいたいけれど割り込むのをちょっと躊躇して言葉を飲んでいるいるといった感じでしょうか。
4) Politeに割り込みたいなら、「May I?」というのも使えます。
5) 上記のような動作が司会者の目に留まらない場合には、発言者の語尾とかぶさっても良いから割り込むしかないかもしれません。強引な雰囲気になってしまったら、全員が振り向いて改めて自分の意見を述べなおす時に、「失敬」といった感じに「Excuse me」と言ってもよいかもしれません。

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